Memories of wishing

 

Memories of wishing to become a "kawaii" magical girl and have my own mascot and super cute prince xD
 ふと目に付いたyoutubeのコメント欄にはそう書いてあった。二十歳を過ぎた外国人のコメントだった。"かわいい"魔法少女になってマスコットと王子様が欲しいと願った思い出。


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 このコメントを見たとき、自分は急に世界がぎゅっと縮まって、すぐそこに誰もがいるような感覚に陥った。よくない妄想だとわかっていても、そんな気がした。
 人はなぜ違うレンズを介すると、同じものなのに綺麗に見えてしまうんだろう。みんな一度は思ったことがあるってわかってるのに、違う言語で書かれるとキラキラ光っていた、虫眼鏡で覗いた雪みたいに。無機質にしか感じられない英語だからこそ。

 

 僕はこの曲が好きだ。作詞岩里祐穂、作曲菅野よう子。アニメ音楽のゴールデンタッグが産み出した最高の曲だと思っている。他にも有名でエネルギーのある曲は多いのだけど、ここまで柔らかくて幸せに満ち満ちていて、それでいて切ない曲はありはしないだろう。 

I'm a dreamer ひそむパワー
私の世界 夢と恋と不安で出来てる
でも想像もしないもの 隠れてるはず

空に向かう木々のようにあなたを
まっすぐ見つめてる

みつけたいなあ かなえたいなあ
信じるそれだけで
越えられないものはない
歌うように奇蹟のように
「思い」が全てを変えてゆくよ
きっと きっと 驚くくらい

 

  私の世界を夢と恋と不安で括って、なおかつ恋も不安も「想像の範囲内である」と歌っているところがもう詩人である。そしてサビ。ユーフォリアしかない内容なのに切なさを少しだけ感じてしまうのは、なにを見つけたいのか、なにを叶えたいのか全く言及されていないからなのかもしれない。どこか空想の中の憧れ、フワフワと浮かんだ儚い夢、そんなイメージが浮かんできてはきっと大丈夫だからと消えていく。

 僕が感じたのは、世界中の幸福だった。かわいい魔法少女になりたかったというイノセントな一文には、世界中の幸福が詰まっている。