よくよくかんがえると冬休みってずっと前に終わってるよね



サリンジャーの短編集。

攻殻機動隊やらで脳の隅っこにはあったはずでだから苦しむことなく手にとれました。



僕の中のサリンジャーのイメージは夢見る童貞、現実に死すって感じで、
僕みたいだから嫌いなんですけど、

好き嫌いのリングに立ったらもう負けなわけで、パンチされる度に心地いい(あ、コイツ嫌いだ)感があるわけです。


要するに大好きってことで、
そういうわけなんです。



9の短編、どれもさして爆裂どったんばったん哀しみの雨アラレ話ではないですけど感動しました。



サリンジャーはむしろ普通を書くのが好きですよね。
日常、等身大というか。
1900年後半はそういう良さがある気がします。


僕の中で狭き門とかああいう類登場人物がすでに高尚なやつってハンバーグにパインみたいなものでして、
そうじゃないだろ。いや、美味しいけど。みたいな。


そういうある程度人間できてる人を主人公にするときは
どうしてもあらかじめ毒を盛るつもりで文章を書かないといけなくなるじゃないですか?


ぼくはそういう毒を盛る人よりかは、バット持ってぶん殴る人のほうが好感が持てます。


現実の突き放される感じ
良くも悪くもストーリーじゃなくて
現実を書こうとするあたりがたまらなく童貞くさくて、いいですよね。


名書の横に置いてあって、ホコリを被ることがその本の使命
ホコリをかぶるとその本はなんででしょうか、もっとキラキラ輝きはじめる

誰かがみつけて、また読んで、(おそらく同じ心の暖かさで)同じ場所に戻しておく



そんな感じに好きなわけです。