発声学中級:ライトミックス+ハードミックス+CF(コーディネートファルセット)

 

記事にできる程度には考えがまとまったので114514年ぶりに発声記事を書く。

 

 

ミックスボイスとはなんぞやという人は↓

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ここを読んでなんとなく理解をしてほしい。

 

  

 この頃のトレンドなのかよくライトミックスボイス(ソフトミックスボイス)、ハードミックスボイスなる言葉を聞く。

人によってその定義はまちまちで、僕も多分に漏れずそうだけど、ハードは閉鎖が強く、ソフトは弱いということだけは確からしい。

 

 

個人的にはハードミックスをミックスと呼ぶのは少し違和感と危機感がある。

発声学的には喉の形上いわゆる”ミックスの喉”になってることは間違いないが、初心者がそんなこと気付くわけない。

こういう人たちみたいに歌いたい!と思ってブログを漁った初心者は混乱すること火の如くだ。

う、裏声成分?!混ぜる?!みたいな。

エグザイルを裏声成分が〜と分析するのはわかるが玉置浩二裏声成分で語ったらいかんだろうと。

初心者がやることはまず頭に響かせることであり、そっから喉の伸展を感じていくことでしょう。

 

 

 

僕のずっっとまえのブログに書いてある発声タイプ分けのタイプ1がハードミックス、タイプ3がライトミックスボイスということでまあ大方間違いはなさそうである。

 

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 で、ここまではよかった。別に特段新しいことを説明されてるわけでもなかったし、新しく技術に名前がつきました、はいよかったですねとこれでおしまい。

 

 

本格的な話になるのはここから。 

コーディネートファルセットだ。

いや〜まいった。おきな自身がこのCFに相当するタイプの人間である。僕がミックスと少し違うなあ、みたいなところを散々文章こねくり回して説明しようとしてたのに、一言で片付けられてしまった。しかも非常にわかりやすい。

 

そうコーディネートされたファルセットなのである。

あるブログではミックスに到達する前段階、あるブログでは根本として間違ってる発声として、あるブログでは一つの到達点であると紹介されているこのCF。

各人いいたいことはたくさんあるだろうから、別にそれはいい。僕はこれを目指してやってきたわけだしね。

じゃーだれがこのCFで歌ってんだよ、って話になります。

ここで満を持して登場。

 

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そう宇多田ヒカル。といっても彼女は恐ろしいほど器用なので楽曲ごとかなり歌い方も違う。けどこの幼きころの宇多田ヒカルは間違いなくCF気味の発声をしてると見て間違いない。今聞いてもかっこいいなあほんと。

 

男性でいうと平井堅はCFではない。彼はもう地声との混ざりが綺麗すぎるので確かにそういう方面から見ればミックスはCFの上位互換なのかなとも思ったりする。

 

 

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この二人もCF気味である。女性がなりやすい。miwaなどもCFの典型である。

 

海外(時に英語)は日本と根本発声が違うため総じてこのCF要素を持っている。難しいことをいうと息漏れしづらい高音域をあらかじめ持っているので、それを軽く出そうと思えばCFとして勝手に出てくるといった感じか。

 

小話だが英会話者には換声点がない、というのをご存知だろうか。これは英語がアクセントだけでなく音の高低でも情報を伝える言語だからである。かれらは換声点で悩まず、代わりに音の軽い、重いで悩む。黒人含め外人に歌の上手な人が多いのはそういう理由がある。

 

まあそんなわけ。

邦楽に向く発声ではないので目指したい人が存在するかは微妙なラインだが、歌いこなせたらカッコイイだろう。

長所…洋楽が綺麗に歌える。声が無駄なく張れる。器用にこなせる。

欠点…マイクがボロいと大変。いいマイクには映える。邦楽に向かない。こぶしなどは入れられない。