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宇多田ヒカル 新アルバム

 

 fantomeだな…という印象だった。全体的に夜に聞きたくなる曲が多い。アルバムを持ったときに起こる「いや〜まあまあかな」→「最高やん…」の流れにまた出会ってしまって、幼稚な自分に恥じ入るばかりである。(自分だけじゃないと思うが音楽ってものは何回も聞くとよくなってくる)

 すでに耳に残っていた”花束を君に”と話題性があった”2時間だけのバカンスfast.椎名林檎”はすぐに「聞く準備」ができていたのだけど、不意の伏兵がゾロゾロ現れやがってマジでこいつ何者なんだよ天才か?と主にそいつらをリピートした。
 文にすると間違ってしまいそうなので個別のマルバツはないけど、「荒野の狼」が伏兵賞。もちろん他の曲もよかった。アルバムは通して一曲でもあって、ハンバーガーで一番好きなのはトマトかレタスかはたまた肉かってそれだけである。ハンバーガーが好きという前提は言わずもがなでわかってほしい。

 

椎名林檎コメント>彼女の復帰について
 

 私がそれを切望していたのを、ご存じな方もいらっしゃるだろうか。最愛のお母様を亡くした彼女へあれこれせがむことはできなかったけれど、パートナーを得、遂には母となった彼女になら、ずっと我慢してきた思いを正直にぶつけてもいいような気がしたのである。だって東京の巷には、やっぱり彼女の声がよく似合う。
 それから、大人になった今の彼女が紡ぐ和声や旋律の、日本的なことと言ったら! もちろん我々ユーザーは皆、合点承知していたはずだ。ただここへきて、より一層深まっていやしないだろうか。生まれてこのかた彼女はずっと、浮遊していたのかも知れない。そして今初めて東京へ着地してくれたのかも知れない。なんちゃって勝手に感じ入る私をどうか赦して欲しい。

 

 たぶん、彼女は浮遊してたがゆえに、周りが見えて仕方なかったのだろう。こんな曲が売れる、こんな曲が望まれている。考えないようにしていても目につくのだから、彼女が曲から消えていきそうになる。
 僕は宇多田ヒカルが好きなのだ。詩からほろりとあふれてくる等身大の彼女が好きなのだ。だからこのアルバムも、きっとずっと好きだと思う。