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最近の僕らは したり顔で

 

 やる気が起きないと、文が濁ると人は言う。自分の場合もそうだ。濁る…むしろ日常生活が潤わないのだ、みずみずしい文章が書けない。
あああのときこうしていればよかったなあ、ああもっとほかにやり方があったろうに、あああれをしなくては、ああ洗濯もしなくては。ああもう嫌だなあ。そういう風になっている。

 外に出ると、車の音で真夜中なのにうるさい。寒い場所に長くいた私は、雪の深々と積もる冬が好きだ。雪は音を吸収して、周りに生きているのが僕だけみたいになる。あの時間が好きだ。自分が歩くたび雪を踏む音だけがして、浮き彫りの生という感じがする。自分の外殻がはっきりするような、そういうのって素敵だ。キャンプの早朝、真夜中の冬。どこまでが自分かはっきりと自覚できるのに、調和した心。なぜだろう。夕方の海、春の木立ち、そういう調和ありきの和やかさではないのだ。むしろ、すこし厳しく僕たちに当たってくる。お前はとても小さい、お前はこんなに大きな存在の中にいるのだ。

 そうやって妄想をして紛らわせる。記憶はどんなに曲げてもユートピア。明日は僕らの世界でありますように。

 

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 すげえどうでもいいけど、そういうむしゃくしゃがありえないぐらいたまって、ハリーポッターを全巻買った。中古で2000円。やすっ。ハリーポッターは僕を書の道に押し込んだそりゃまあ戦犯の本であり、やっぱユートピアなのかなと、うまくいかないときは過去を見がち。初めて読んだのは母親とベッドで。たぶん幼稚園だと思う。秘密の部屋のとき自分は小学校二年生?ぐらいで、はじめて一人で読み切った厚い本である。ワクワクして、一人でも読み進めたくてたまらなかった。あれはいいな、自分が親になったらやろうと思う。結婚なんて絶対できないんだけども。