起きる時間 okinakya

 

無理に元気を出すために、喫茶店で本を読む。そういうリハビリみたいなことをこのごろする。微妙に長居に向かないソファー席は隣との距離が近くて息がつまったりするし、他人に興味がなさそうなみなさんは、急に敵にみえてきたりする。それでもそれ以外のやり方を知らないので、仕方なく私も本を読む。

 

そんな店の照明は、席の真上から私を照らす。ご存知だろうか、ああいう類のライトは必ず席の真上もしくは少し前についている。暖色のランプライトは私に、落ち着きと高揚感をもたらす。いつかに似ているな、と目を休めて三思していたら、舞台のライトだった。熱くて、眼を開けて話すのがやっとの、あのスポットライト。

 

リハビリはうまくいっている。リハビリと同じぐらいに、私は変わろうとしている。や、好きな漫画のセリフ、『人は進むことと戻ることが必要な場合がある。君の場合は進むことが大事だったみたいだ』になぞらえると、私は少しだけ、様々なものを取り戻している。

 

今日読んでいた本です。

偉大なるデスリフ (村上春樹翻訳ライブラリー)

偉大なるデスリフ (村上春樹翻訳ライブラリー)