2020/03/19

人にプレゼントをあげた。ブルーボトルコーヒーの清澄マグというやつで、デザインがよかった。ふと思いついて行きがけに買っただけだけれど、意外なほど喜んでくれたのでよかった。微妙に白よりくすんだカップは、形もちょうどよく歪んでいて、飲みやすいようだった。タンブラーもオシャレで可愛かったので、今度買おうかなと思う。

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祖父が危篤らしい。母は自分を地元に帰そうと躍起になる節があるので、どこまでが真実なのかはわからないが、「おじいちゃんの具合が悪い」と送られてきて、電話も何度も鳴っている。全て無視している。祖父のことは嫌いではない。多分好きだ。けれど、親戚のなかでも僕はことさらに浮いている。一人だけの完全文系で、理解者はいないように思えた。人種が違うなりに考えてくれているのはわかるが、帰るのはすこし気が滅入る。

もちろんもっと大人になって、何かが変わっていくのかもしれない。後悔はあまりしたことがないけれど、たぶんそれは成長していないからだ。後悔はしたほうがいい。

なぜだかはわからないけれど、もうあそこには帰れないように思う。私の人生というのは、もっと不安定で、濁っているふうに作られている。それを自分が望んでいるのだ。

何度も、「僕」と書いては消した。自分の自意識はいつまでもそこで止まっている。帰るべきなのだろうか。僕の優しさは無限ではない。けれど、あなた方が僕にくれたのは確かに優しさだった。自分がブラックホールみたいに思える日がある。それはでも、きっと誰でもそういう日があり、それを乗り越えて人は生きているのだ。


Omoinotake / モラトリアム