壱から知るミックスボイス


ぼくもできないことをいっぱい書くけど察せ。


「ミックスボイス」っていう概念をやんわりと伝える。

シャウト系も含んだ高音の総称をミックスボイスと呼ぶ人も少なくないんだけど、今から説明するのはもっと柔らかい本質的なミックス。EXILEのATSUSHIとか平井堅とかスピッツとか久保田利伸とか。
発声は十人十色なので好みもあるが基本の考えってのをわかって頂ければ。




ミックスボイスとはWikipedia曰く、
「胸声の最高音域近辺では声門閉鎖が急に弱くなり、音色、音高ともに不安定になる。特に閉鎖がしっかりして呼気の少ない声で高音に移ると、閉鎖が弱まった瞬間に声帯の振動状態も急変し、声が裏返ってしまう。もし始めから閉鎖の弱い声で高音に移ったのであれば声の裏返りは起こりにくい。それを意識的に行い、息を多く流したり、柔らかく軽めの声を用いるなどで過剰な声門閉鎖を避けて歌う」
...ということだそうだ。なるほど。



【喉をキツく締めたままだと確実に限界がある声域を、ノドの閉鎖をゆるめることで裏声の声域まで地声っぽく広げる】
簡単にまとめるとこんな感じ。



僕がいつも言う「裏声を混ぜる」という感覚はここから来てる。どうしても声に芯がなくなるので全身もしくは頭に響かせて歌うことが大事。
いままでは
《地声→裏声》
にしか変わらなかったのを、
《地声→ミックスボイス→裏声》
と、もうひとつ声区を作るイメージを持とう。


そしてぼくが1番注意と理解をしてもらいたポイントは、どのタイミングで(音の高さで)ノドの閉鎖を緩めはじめればいいのか。
これに関しては早ければ早いほどいい。というのか僕の考えである。
もちろん、その人の声の良さが失われない範囲での話。



【ミックスボイスは声域全体の繋がりができて初めて形となり、逆に全体の繋がりがないとどうしても聞き手に違和感が生じる。閉鎖のキツい地声からいきなりミックスに入っても意味はない。できるだけはやくに。一部分だけでなくすべての声域で閉鎖を緩くするイメージが必要である】



実際には裏声と地声を混ぜるなんてことは不可能。
裏声っぽく地声を出すor地声っぽく裏声を出す、のどちらかに収束するはずである。また前者の方がより邦楽全般に向いている。
地声に近いミックスをするためにはその音階が本来の地声である程度出せることも条件となるので、地声の音域を広げることも同時に行ったほうがいいだろうと思う。(詳しくは発声のキホンへ)



よくわからないひとはwikiをざっと見るといいと思う。
そもそもミックスボイスという言葉自体誤用されていたり、これひとつで色々な技術が片付けられていることが多々あるので、ひとつひとつ自分で吟味することも必要かもしれない。