2020/03/19
人にプレゼントをあげた。ブルーボトルコーヒーの清澄マグというやつで、デザインがよかった。ふと思いついて行きがけに買っただけだけれど、意外なほど喜んでくれたのでよかった。微妙に白よりくすんだカップは、形もちょうどよく歪んでいて、飲みやすいようだった。タンブラーもオシャレで可愛かったので、今度買おうかなと思う。
祖父が危篤らしい。母は自分を地元に帰そうと躍起になる節があるので、どこまでが真実なのかはわからないが、「おじいちゃんの具合が悪い」と送られてきて、電話も何度も鳴っている。全て無視している。祖父のことは嫌いではない。多分好きだ。けれど、親戚のなかでも僕はことさらに浮いている。一人だけの完全文系で、理解者はいないように思えた。人種が違うなりに考えてくれているのはわかるが、帰るのはすこし気が滅入る。
もちろんもっと大人になって、何かが変わっていくのかもしれない。後悔はあまりしたことがないけれど、たぶんそれは成長していないからだ。後悔はしたほうがいい。
なぜだかはわからないけれど、もうあそこには帰れないように思う。私の人生というのは、もっと不安定で、濁っているふうに作られている。それを自分が望んでいるのだ。
何度も、「僕」と書いては消した。自分の自意識はいつまでもそこで止まっている。帰るべきなのだろうか。僕の優しさは無限ではない。けれど、あなた方が僕にくれたのは確かに優しさだった。自分がブラックホールみたいに思える日がある。それはでも、きっと誰でもそういう日があり、それを乗り越えて人は生きているのだ。
2020/03/17
しばらく用事が続いて全く書きものができなかった。
東京の本屋はいろいろある。僕ははじっこにある「スピリチュアル」のコーナーが好きだ。まともな宗教もまともではなさそうなオカルトもまとめておいてあり、それが上から下まで連なっているのが面白い。中身をパラパラとめくってもTHINKCLEARLYくらいどうでもいいことしか書いていない。
僕はこのごろ大崎にあるTSUTAYAのブックカフェに行くが、実用書?らしきもので埋め尽くされている。本を読むより勉強をしている人の方が多い。
本を買った。いまは絶版になったものがアマゾンでたくさん買えるので本当に良い。あと、90くらいのおじいさんがやっている10冊で300円の古本屋が近くにあるので、そこにもよくお世話になっている。漁ると面白そうな本が出てくる。
— okinakya (@okinakya) 2020年3月16日
ヴェルネーヌ 詩集
モンスター 百田尚樹
ヰタ セクスアリス
青年
100年の散歩
ウエハースの椅子
ショートショートの広場
エリー・ゴールディングのAnything Could Happenはなにやら意味深げに僕の心に響く。彼女は言う。
Ellie Goulding - Anything Could Happen (Official Video)
We held our breath to see our names are written
On the wreck of ’86
That was the year I knew the panic was over
Yes since we found out , since we found out
That anything could happen, anything could happen
86年は彼女が生まれた年だ。心地よいサウンドに身を委ねていると、彼女がなにを感じたのか、全く理解していない自分に気がつく。なんだって起こりうる。なんだって起こりうる。その言葉だけが鼓膜に反射して、声がこだまして、僕はなにが起こるのか身構える。この朝になにかが起こる気がしている。
だれかと過ごす朝は一人でいる朝の何倍も難しい。どちらかが先に起きて、もう一方を待つことになる。カーテンが朝焼けを覆っている。昨日一緒に見た夕日より明るい雄黄色が、またすこしずつ色味をなくしていく。どちらともなく眠る夜より僕は好きだ。